新型コロナウイルスの影響により、在留資格手続き(ビザ手続き)についても、毎日のように、手続方法の変更や特例などが発表されています。こうした発表は、法務省ホームページや出入国在留管理局のホームページに掲載されます。
その中で、主要なものについて、紹介したいと思います。
なお、コロナの影響による在留資格手続きの申請書類は下記からダウンロードできます。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00026.html
全てのビザに共通する内容
今、コロナの影響によるビザ制度に関していろんな噂が出ているようです。在留カードが無効になるとか、今日本を出ると、もう二度と日本に戻れないとか。そんなことはありません。
正式な政府発表は下記になります。http://www.moj.go.jp/content/001318288.pdf
簡単に説明すると、4月3日以降に海外(母国含む)に行くと、コロナが落ち着くまで日本に戻ってこれなくなります 。たとえ永住者でも同じ扱いです。ただし、在留カードが無効になるわけではありません。コロナが収束すれば戻ってこれます。また、特別永住者は、4月3日以降に出国しても戻ってこれます。
2020年4月3日~2020年6月30日に、ビザ期限をむかえる方については、現在の在留期間満了日より3ヶ月間、在留資格更新申請(変更申請含む)を受け付けてもらえます。つまり、実質的に、現在の在留期間が延びることになりました。ただし、この間、本来の活動をしていない場合(留学生の場合は退学など)、在留資格更新や変更、将来の永住者ビザ取得の際、不利となりますので、注意してください。
実習継続が困難となった技能実習生への救済措置
2020年4月17日、出入国在留管理局から、コロナウイルス感染症の影響により、実習の継続が困難となった技能実習生に対する特別措置が発表されました。
コロナウイルスの影響により、自動車工場や電子部品工場などの工場停止が相次いでいます。こうした工場では、多くの外国人技能実習生が働いています。こうした実習生に対する救済措置となります。
対象者: 新型コロナウイルスの影響により解雇などをされ、技能実習の継続が困難となった技能実習生、特定技能外国人等
救済措置の概要:「特定活動」の在留資格が付与され、日本で1年間就労できるようになります。就労できる業界は、特定技能ビザの対象となる14業種。具体的には、介護や農業の分野でこの措置の活用が期待されています。なお、技能実習生が、これまで勤務してきた業界以外でも就労可能となります。例えば、これまで自動車工場で実習生として勤務してきた方が、工場停止に伴い解雇された場合、介護分野での就労も可能となります。
介護分野等では常に人手不足の状態ですので、たとえ1年間であっても、多少日本語が話せて、日本に数年住んでいる外国人の採用には前向きだと思われます。実際、当事務所にも介護施設等からこの件に関する問い合わせが増えてきました。
受入要件:以下、出入国在留管理局発表資料から抜粋(原文は難しい法律用語満載であるため、例外規定等を削除し、分かりやすさを優先して要約しました)
〇本特例措置により従事しようとする業務に係る報酬の額が,日本人 が従事する場合の報酬の額と同等以上であること
〇申請人が,受入れ機関において特定技能外国人の業務に必要な技能を身に付 けることを希望していること
〇受入れ機関が,申請人を適正に受け入れることが見込まれること(これまでの外国人雇用実績,出入国・労働関係法令の遵守等)
〇受入れ機関が,申請人に対して、1年後に特定技能ビザに移行するために必要な技能等を身に付けることなどについて指導,助言等を行えること
〇申請人の在留中の日常生活等に係る支援を行う担当者を確保して適切に行うことが見込まれること
〇受入れ機関が,申請人を受け入れることが困難となった場合には地方出入国 在留管理局に速やかに報告すること
留学生に関するビザ手続き
- 日本語学校の留学生について、留学ビザは最大2年間までであったが、2年を超えても更新が可能となりました。
- 学校卒業後、就職活動を行う場合は、卒業後1年半(18か月)、特定活動のビザを取得できるようになりました。
帰国困難者に関するビザ手続き
日本語学校等の留学生が学校卒業後、帰国が困難になっている場合、留学ビザ→特定活動ビザ(6ヶ月)に変更できる可能性があります。学校の出席率や理由書の書き方によって許可率は異なります。この特定活動ビザが許可されると、引き続き日本に滞在でき、週28時間以内のアルバイトも可能です。
対象者は、2020年1月1日以降に学校を卒業した留学生です。つまり、学校に在学中の人は申請できません。
申請に必要な書類は下記です。
- 在留資格変更申請書(様式U 留学→特定活動)
- 証明写真(4×3cm)
- パスポート
- 在留カード
- 日本語学校卒業者の場合→日本語学校の修了証明書、出席率証明書
- 大学、専門学校、日本語学校の卒業証明書(コピーOK)
- 帰国困難である理由を説明した書類
- 帰国困難であることの証拠(帰国便が欠航になっている証拠)
- 提出書類チェックリスト
- 預金通帳のコピー(表紙、2ページ目、直近の記帳ページ)
この手続き、当事務所でも代行しております。
在留資格認定証明書の有効期限
海外から外国人を呼び寄せる時に発行される在留資格認定証明書の有効期限についても変更があります。従来、この在留資格認定証明書は、発行日から3ヶ月以内に日本に入国しないと無効になってしまいましたが、当面の間、発行日から6ヶ月以内に入国すればよいという扱いになりました。
再入国許可申請について
コロナの影響で、日本をしばらく離れたいという外国人もいるかもしれません。もし1年以上日本を離れる場合には、必ず、「再入国許可申請」を行ってください。そうしないと、再入国できなくなります。この手続きについては、別ページでも案内しております。
参考:コロナ禍に関する給付金情報
コロナ禍により、売上が減少したり、営業を停止したりしている法人、個人事業主向けに各種給付金が用意されています。
いずれも、インターネットから申請でき、比較的簡単な入力のみで申請できるようです。
なお、当事務所はビザ専門事務所であるため、こうした給付金に関するサポートは行っておりません。あくまで、今回は情報提供のみとなりますことをご了承ください。
実際に申請された方によると、普通にパソコン入力ができる方であれば、プロに依頼しなくても大丈夫とのことでした。
●持続化給付金
https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka-kyufukin.html
対象:前年同月比で売上が505以上減少している法人、個人事業主
給付額:法人200万円(最大)、個人事業主100万円(最大)
●東京都観戦拡大防止協力金
対象:東京都にある飲食店、ホテル、書店、学習塾、銭湯、映画館、学校など
給付額:最大50万円